食べると暮らしの学校 第5回
「オープンキャンパスに向けて」ワークショップレポート

2016/10/29
ワークショップレポート

「たべるとくらしの学校」は、”生涯活躍の町”という目標を掲げた黒松内町を舞台に、食べること、暮らすこと、学ぶこと、働くことなど様々な観点から自分たちの町を見直し、よりよい町のための活動を実践することを目指した町民講座です。映像講義や事例紹介によるインプットとワークによるアウトプットを繰り返し、より視点の広いアイデア、魅力的な企画の実践を目指します。
レポートでは各回の様子や、話し合われた内容や手法、特に印象に残った言葉などを織り交ぜながらお伝えします。

個人からチームへ

10月29日(土)に開催された第5回ワークショップ。前回と同様に土曜日の午後に開催され、15名の受講者が集まりました。今までは個人単位で黒松内について考えていましたが、前回より同じ目標を持ったチームとして活動を模索する段階に突入しました。
話し合いの道筋を示す人、とにかく事例を集めてくる人、その場で意見をまとめる人など、チーム毎に個人の得意なことを活かした役割ができつつあり、案が実現に一歩一歩近づいてきました。

持参した資料で話し合う参加者

オープンキャンパス開催決定!!!

ワークショップで考えてきた案を、実際に試してみる場としてのオープンキャンパスの開催が決定しました!開催日時は2017年2月26日(日)、11:00〜15:00ごろ、場所は町民センター(変更の可能性あり)
を予定しています。話し合いだけではどうしても想像できないことや、実際にやってみることでみえてくる観点もあるので、このオープンキャンパス(社会実験)は貴重な機会になります。今後、黒松内町で活動を実現していくためのスタートという位置づけであり、企画の検証、チームの醸成、新たな仲間の発見など、今後につなげられるような社会実験を目指して話し合いを進めていきます。

事例紹介「社会実験から生まれるもの」

オープンキャンパスという社会実験の開催が決まりましたが、そもそもどのような目的で社会実験を行うのでしょうか。目的を見失わないために、話し合いの前に、社会実験の意義を認識できる事例紹介がありました。

みなとまちなかワークショップ(木更津)

千葉県木更津市で行われているこのワークショップは市民活動支援センター「きさらづみらいラボ」を拠点にさまざまな市民活動を支援するワークショップです。定例会ででた意見を実現すべく、いくつかに分けられたまちなかエリアで、様々な社会実験を行っています。
企画を実際に社会実験として実施する意味として、活動自体の認知と、輪を広げることができるということをこの事例から学べます。そんな面白いことするならウチも使ってくれ、ウチの道具使っていいよ、というような声がかかることがあるということです。実際に行うことの意味はこの「たべくら」にも活かせるものがあると思います。

みなとまちなかワークショップ

9つのコンセプト

お試しをすることの効果

みんなであのキャラを描いてみようゲーム!

今回のゲームは、「人気キャラクターを描こう!」ゲームで。みんなが知っているキャラクターの顔のパーツを一人ずつ交代で描いてみようというゲームです。誰もが知るキャラクターですが、いざ描くとなると、意外と描けない…。しかも他の人と交代で、となると難しさ倍増です。各チーム個性的なドラえもんが完成しました。

このゲームから学べることは、
・イメージ共有の重要さ
・完成形をイメージして書く(動く)ことの必要性

です。
同じワードでも個人のイメージは意外とバラバラで、チームで活動する際にはこの“イメージの共有”が不可欠だと思います。また、完成形や、後の動きを想像することで、その目標に向かって、今何をするべきか、どう動けば良いのかが見えてきます。

オープンキャンパスに向けて!

チーム力を高めた後はグループ毎に企画のテーマを再考し、オープンキャンパスでやりたいことを話し合いました。また将来の活動をイメージしながら課題を再認識し、2月26日のオープンキャンパスに向けて、個別相談会を行いました。各チームの企画概要、オープンキャンパスでやりたいことは以下のようになりました。

個別相談会の様子

たべるの工房チーム
「黒松内新歓」

転入者や新卒で黒松内にきた人は短期間で黒松内を離れてしまう、いなくなってしまうのではないか。「つながる場所」を作ることで、彼らがいきいきと生活できる黒松内にしたい。
場所
・飲み屋
・サークルなどの活動を知らせる場所、つながれる場所で新歓をしたい

“鍋パーティー”

対象者と年が近い黒松内歴(職歴)2,3年目の人たちに、黒松内に来たばかりの新歓対象者を誘ってもらう。鍋パーティーをする中で、新しい環境でどうしたら安心して暮らせるかについて対象者の声を生で聞けることも、直接会って話すことのメリット。

・実際に新しい環境に放り込まれたとしたら、友達が何人できたら安心するか
・それにはどのくらい時間がかかったか
・キーになったもの(サークル、場所、食べ物など)

小商い売店チーム
「地域のたまり場」

用途を限定せず、ふらっと立ち寄れるような場所の提案。交流のできるオープンな席と個人的に使えるクローズな個室の両方があり、スクリーンでスポーツ観戦する人、軽食を買い雑談する人、本をよむ人、いろいろな人が混在する。
店内は常にガヤガヤした雰囲気で、自由に時間を過ごすことができる。また、利用者の情報交換の場として掲示板の利用を考えている。
ニーズ
・場所の選択肢が少ないため、誰がどこに飲みに行ったかみんな知ってる
→お互いに顔が見えない店
・業種を超えた交流
・本屋や趣味の店が圧倒的に少ない

“たまり場スペースの小規模展開“

例えばホールの一角や研修室のなどを利用。酒場のような雰囲気づくりと掲示板の設置を行う。掲示板には、売り買いの情報や、こういう人をさがしていますといった求人、逆にこんなスキル持っているから連絡してくださいというような情報を掲示し、集まった人たちで問題を解決できるような機能を期待する。

学びの教室チーム
「ブナの森塾」

5年後、参加した子どもたちの50%が夢を叶えたと思える、というのが目標。ブナの森塾は、ブナの幹から葉が生い茂るように夢が広がっていくようなイメージで子どもたちの夢の広がりを応援していく。
そのために
・まず、子どもたちの夢を知る(事前調査)
・対象は、小学校高学年くらいの年代
・黒松内町内外で活躍している人の紹介も合わせて行い、夢の選択肢を広げる

“夢の掲示板”

子どもたちの夢を貼り出して、黒松内の人に発信する。応援やサポートしてくれる人を呼びかけることが、子どもたちを見守る町の雰囲気作りにもつながる。

健康手帳チーム
「焚き火フェス」

大人から子どもへ火や薪割りの刃物の扱い方を教えることが、子どもにとっては心身の健康や自然学習の経験、大人や高齢者にとってはやりがいに繋がる。
将来的には
・現在お金をかけて処分している町内の枝や間伐材を焚き火の燃料に使えたらよい
・黒松内に製材所つくる
・焚き火の拠点をつくる
という問題にも取り組みたい

“炎と刃物の体験”

自分で起こした火から刃物を作り、それら一連の扱い方を体験する。
(室外体験) 火を火種からおこす、「火おこしチャレンジ」

その火で焚き火をつくる
(焚き火、薪ストーブ、黒松内版スウェディッシュトーチで火を大きくする)

五寸釘を熱して釘ナイフをつくる=炎から刃物が生まれる

(室内体験) 作ったナイフを研ぎ、実際に使ってみる

各チーム話し合いの中で、活動の軸となるキーワードが見られました。
いきいきと生活
つながる
情報交換
経験
やりがい

発表の様子

これらのキーワードはどれも参加者の実体験に基づいたものだと思います。黒松内町に住んでいて、日々感じるもの。そのような体験が元になっていると、実際に活動した時に説得力がまるで違ってくると思います。オープンキャンパスの目的は企画の検証だけではありません。新たな仲間を集めることも目的の一つですが、そのような説得力のある企画が実現されれば、自然と一緒に活動してくれそうな面白い人も集まるのではないしょうか。今後、活動の実現に向けてさらに企画をにつめていきます!

次回は

第6回は12月1日(木)です!
みなさまの参加(and 是非興味がありそうな方も一緒に!)、お待ちしております!!

第6回以降ワークショップ開催予定

レポーター:studio-L インターン 河村