食べると暮らしの学校 第4回
「地域に必要なものと実践できることを考える」ワークショップレポート

2016/10/8
ワークショップレポート

「たべるとくらしの学校」は、生涯活躍の町という目標を掲げた黒松内町を舞台に、食べること、暮らすこと、学ぶこと、働くことなど様々な観点から自分たちの町を見直し、よりよい町のための活動を実践することを目指した町民講座です。映像講義や事例紹介によるインプットとワークによるアウトプットを繰り返し、より視点の広いアイデア、魅力的な企画の実践を目指します。
レポートでは各回の様子や、話し合われた内容や手法、特に印象に残った言葉などを織り交ぜながらお伝えします。

初参加者も多かった第4回

第4回のワークショッフは10月8日(土)に開催され、約20名の受講者が集まりました。前回までは平日に開校していましたが今回初めて土曜日に開校し、初参加の方が多く見られました。第3回の発表内容を振り返り、全員が足並みをそろえ今回のワークショップに望みました。

活動のヒントとなる事例紹介と「マシュマロチャレンジ」!

今回の事例紹介は、「ニーズや必要なものをうまくつなげた企画力のあるプロジェクト」の例です。おばあちゃんの手編みのニットがオーダーメイドで手に入るフランスの「ゴールデンフック」や、スピード違反者の取締ではなく、守った人にプラスのある仕組みを実践するスウェーデンの「スピードカメラ・ロッタリー」など、目のつけどころや、しくみづくりの観点など、学ぶところの多い事例が紹介されました。また、事例をそのまま落とし込むのではなく、どこが良いと思ったのか、自分たちの地域に変換したらどうなるかといった観点は、今後企画づくりに活かせるポイントとして吸収できました。(たべくらでは、当日の配布資料として事例集を配布しています!)

事例紹介資料
事例紹介資料(PDF形式:3.3MB)

また、アイデア出しの前の頭と体のエクササイズとして行ったのが「マシュマロチャレンジ」です。ルールは簡単。限られた数のパスタ、ひも、テープを使って、どれだけ高いタワーを作れるかというものです。ただし、頂上に必ずマシュマロを置かなければなく、バランスを取るのに、皆さんかなり苦戦していました。すぐに図面を書きはじめる人がいたりひたすら組み立ててみる人がいたり、チームや個人毎に見事に色が出ていたのが印象的でした。4チーム中2チームが自立したタワーを完成させました。このゲームでは「チームで協力すること」、「まずは手を動かすこと」、「失敗を早くして生かすこと」が学べました。

ワーク「地域に必要なもの、実践したいもの」

この講座では、アイデアを考えるだけでなく、「実践すること」が重要です。これまでのワークショップで出された意見をふまえながら、まずは「自分たちがやりたいこと」と「地域が求めていること(解決したい課題)」「私たちができること」の3点がそろっているか確認しながら、アイデアを出し合いました。

先程学んだ事例を参考にしながら2点をうまくマッチングさせ、さらに自分たちの観点を盛り込み、チーム毎に企画案として発表してもらいました。コンセプトが面白くても、地域のニーズに合致しているかどうかの検証に皆さん苦戦しているようでした。最後の発表では、面白い視点のアイデアや工夫が盛り込まれていました。参加者は一番少なかったですが、一人一人が自分の考えを出し、中身の濃いワークショップだったようです。今回提案された企画案を元に、次回より具体的にブラッシュアップをしていきます!

たべるの工房チーム
やりたいこと
  • 黒松内町ならではの食べ物や特産品をみつける
  • 車庫焼きの場所づくり
  • みんなで使える台所
求めていること
  • 遅くまでやっている食事処
  • ゆっくり過ごせる場所
  • 学べて食べれるバイキング
  • シェアの台所で女子会や鍋パーティー
  • 創作や食べ比べができる場所づくり
まなびの教室チーム
やりたいこと
  • スポーツ/スポーツ教室
  • 映画、音楽鑑賞会
求めていること
  • 防災センター
  • 地域への愛着

「ブナの夢塾」
学びの場があることで自分自身や興味を知ることができる
ふるさとで夢を叶える、仕事を見つけることにつながる

小商い売店チーム
やりたいこと
  • 食堂やシェア屋台
  • ◯◯ガイド(まちあるき、車庫焼き・・・)
  • 高齢者の活躍の場
求めていること
  • やりがいのある仕事を選べる
  • 子育、老後のケア
  • 世代間交流
  • 若者から高齢者まであらゆる世代が交流しながらサポートし合える仕組み
  • 食堂や車庫焼き、観光ガイドなど世代を生かせる場の可能性
健康手帳チーム
やりたいこと
  • 焚き火できる場所、プレイパーク
  • 焚き火を使ったイベント
  • オリジナルの健康手帳
求めていること
  • 心と体の健康
  • 田舎の知恵を活かす、伝える
  • 災害時にも機能する町

「たきび道」
火や薪割りの刃物の扱いなどを大人から子どもへ伝えることで大人や高齢者は教えるやりがい、子どもは自然の経験を積める

最後に...

前回出ていた宿題をやってきた方で1名、具体的な提案まで発展させてきた方がいました!ブナの森レインボー歯科クリニック院長の茂尾先生です。黒松内町で現在まで行われてきたプロジェクトを分野や時系列で整理し、それらを包括した提案をしてくれました。これからの「たべるとくらしの学校」のひとつの方向性を示すものだったのではないかと思います。今後茂尾先生のように具体的にビジョンを持って提案してくれる受講者が増えれば、この講座をやる意義が見えてくるのではないかと思わせてくれるような提案でした!

次回は

第5回は10月29日(土)14:30からです!
チームごとに企画シートをつくってくることが宿題です。みなさまの参加お待ちしております!

第5回以降ワークショップ開催予定

レポーター:studio-L インターン 河村