食べると暮らしの学校 第3回
「地域に暮らし続けるために大切なことを話し合う」ワークショップレポート

2016/9/3
ワークショップレポート

「たべるとくらしの学校」は、黒松内町の食と健康な暮らしをテーマに、予防や健康づくり、起業などについて学び、実践していくことを目指した町民講座です。毎回ゲストや映像講義による<インプット>と、受講者みんなで考え、クリエイティブなアイデアを生み出す<アウトプット>と繰り返しながら、みんなが健康で生涯活躍できるライフスタイルを実現させるための企画・実践を目指します。
レポートでは各回の様子や、話し合われた内容や手法、特に印象に残った言葉などを織り交ぜながらお伝えします。

テーマごとにチームに分かれた第3回。

第3回目のワークショップは9月2日(金)に開催され、26名の参加者が集まりました。最初に前回のふりかえりと8月20日に行われた「たべくら視察 Vol.1」について紹介したのち、次のステージである“フィールドワーク”に向けたチーム分けを行ってからワークを開始しました。この日のおやつは、なんとワークショップ参加者の方がロールサンドを作って提供してくださいました!とっても美味しく、みなさんに大好評でした。

事例紹介「地域のサポート拠点について学ぼう」

第2回のワークショップのふりかえりを行ったあと、8月20日にたべくらメンバーが視察した、新潟県長岡市にある「高齢者総合ケアセンターこぶし園」が紹介されました。視察映像から共感したことや黒松内町に取り入れたいことを書き出してもらい、視察メンバーからは良かった点やみんなに知ってほしいポイントを説明してもらいました。

高齢者総合ケアセンターこぶし園

地域包括ケアシステム構築へ向けて先駆的な取り組みを行っているこぶし園では、長岡市内13カ所あるサポートセンターごとに、住まい・医療・介護・予防・生活支援などのサービスを組み合わせて一体的に提供しています。

住宅街に溶け込む サポートセンター摂田屋のメインエントランス

こぶし園の取り組みのキーワード

こぶし園の取り組みのキーワード

こぶし園の取り組みによって、まち全体がケアのある暮らしの場を実現していました。この事例から、地域のなかに住民同士の助け合い拠点、サポート拠点を点在させることで、暮らしに「安心感」が増すということを学びました。

高齢者総合ケアセンターこぶし園

ワーク「地域に暮らし続けるために大切なことを考えよう」

事例紹介のあとは、これから始まるフィールドワークのためのチーム分けです。記入してもらったチーム分けシートを参考に、自分の興味のあるチームに自由に分かれてもらいました。

参加してみたいチームを選んでみよう

1.あさごはん食堂チーム

高齢者の生活の困りごとの一つは「食事」3食きちんと食べている人は少なく、特に朝ごはんの欠食が多い。

栄養バランスのとれた「あさごはん」が食べられる場をつくり、食べることから地域の健康づくり、つながりづくりに取り組んでみよう

2.たべるの工房チーム
  • 若い人たちや女性に魅力を感じてもらえる地域の食文化を育てたい。
  • 健康を管理するためには、自分で料理をすることが一番の近道。

地域ならではの食文化や誰でも簡単に楽しくつくれるレシピを学び、アーカイブ化しよう。

3.くらしの相談室チーム
  • 病院や福祉施設はあるけれど、暮らしの中での困りごとを気軽に相談できる場所や人が少ない。
  • 高齢者はまちの商店で買い物する人が多い(配達も含む)。

商店街の商店で困りごとを聞く「暮らしの相談室」を始めてみようまずはひたすら話を聞くところから。

4.まなびの教室チーム

地域のことを地域の人たちから学び、ふるさとに愛着を持ってほしい。

地域の人たちに先生になってもらい、子どもが勉強や地域の魅力を学ぶことができる教室をやってみよう。

5.小商い売店チーム

仕事は生きがいのひとつ。子育ての隙間や定年になっても働ける仕事があったらいい。

月1~5万円を稼ぐような小さな手づくり、手作業の仕事をつくってみよう。

6.健康手帳チーム
  • 健康に気を付けたいと思っているがなかなか行動できない人も多いので、まずは自分の関心をもってもらいたい。
  • 自分の健康を知るためには記録が大切。

「持っている」こと「記録していること」が楽しくオシャレに感じられるような魅力的な健康手帳をつくろう。

6チームに分かれて、いよいよチームごとのワークです。地域に暮らし続けるために大切なことは何か、「①医療や介護」「②役割や生きがい」「③つながり」の3点に着目してそれぞれ書き出してもらい、メンバーどうしで共有しました。最後に全6チームの代表者から、まとめたシートについて発表していただきました。どのチームにも共通して挙げられているキーワードと、各チームの特徴的なキーワードがでてきているところが興味深かったです。

全チームに共通していたキーワード

医療・介護
  • 気軽に相談できる
  • 身近である
  • 安心して行ける
役割や生きがい
  • 趣味、生涯活動
  • イベント、祭り
  • 仕事、働く場
  • 自分の経験を生かせる機会
つながり
  • 集まれる場所、機会
  • フリースペース
  • 食堂
  • イベント、祭り

各チームの特徴的なキーワード

1.あさごはん食堂チーム
  • "役割・生きがい"と"つながり"は関係が深く、そこから"医療"にも発展する
  • 子ども食堂ならぬ地域食堂
  • 近所や趣味などの身近な小さいつながりを多く持つ
2.たべるの工房チーム
  • すごい存在(物知りなおじいちゃんおばあちゃんや、寺田先生)
  • 食べて、飲んで長居ができる、集まれる場所
  • 老いても動けるまで働ける
3.くらしの相談室チーム
  • 声のかけあい
  • 豊かな暮らしのお手伝い
  • 人に頼られる
  • 子育て世代の支援
4.まなびの教室チーム
  • 自己肯定、他者肯定
  • 自宅に暮らすためのケア
  • 元気なうちからの健康づくり
  • 新しい学び
5.小商い売店チーム
  • 遊びや趣味の場所、店
  • 豊かな自然
  • 職場以外の人との交流、
  • 出会い、話をする機会
6.健康手帳チーム
  • 達人発掘
  • めざせ人間力日本一のまち
  • キーワードは炎と刃物
  • たきびフェス、防災

今回のワークで、自分たちのまちに住み続けるためには何が大切か、どんな要素を取り入れる必要があるかといったことを 考えたことで、黒松内町がめざす「生涯活躍のまち」が具現化されてきたのではないでしょうか。そして今回のワークショップの最後にはじめて宿題が出されました。その内容は、チームの取り組みで参考になるものを町内・外から集めてくるというものです。次回以降、その集めてきた資料をチームで共有するところからフィールドワークを進めていきたいと思います。

次回は…

次回は10月8日(土)14:30から!
みなさまの参加(and是非興味がありそうな方も一緒に!)、お待ちしています!

第4回以降ワークショップ開催予定

今日のおやつ

今日のおやつ

  • ロールサンド(ワークショップ参加者の方の手作り!)

レポーター:studio-L インターン 渡邊